東京藝術大学工芸科合格者再現作品と合格者体験記

東京藝術大学工芸科合格者再現作品と合格者体験記をご紹介します。

鉛筆デッサン(アポロの代用でマルス半身像)

 

平面構成

 

 

 

 

立体構成

 

【合格者体験記】

2020年度 東京藝術大学芸術学部工芸科合格

太田実来 (昼間部生 2浪)

 

私にとってデコタンで過ごした4年間は、人生の中でものすごく大きなものを得た時間でした。
デコタンは小さな予備校ですが、先生や仲間たちと濃い時間を過ごすことができます。しんどい時はウーパールーパーの間の抜けた顔に癒され、いろいろな植物を眺めていました。

受験をする以前とは、確実に変わったこと、
それは『もうひと踏ん張りする』ことです。
1浪の2次試験では、自ら勝負から降りてしまった実感がありました。落ちるのは当然のことです。自分がどんなに弱い人間か思い知らされ、後悔と自己嫌悪に苛まれました。
2浪めは、絶対に諦めない、自分にとって納得のいくものを作ろうと決めました。

受験課題をやっていると、だんだん慣れで表面的なやり方、固定概念で手が動くようになっていきました。嘘くさくなり、ものを直で見ていないと言われ続けました。やっていることがこじれていった時は、自分でも何をやっているんだろうと悔しさと情けなさでぐちゃぐちゃになり、逃げたくなることもたくさんありました。

ですが、先生はそんな私を見捨てずに根気よく指導してくださいました。そのおかげで私は今まで気づかなかった自分の思考の癖に気づいて、少しずつ自分を理解しながら受け入れることができるようになっていきました。そうすると、目の前のものにも真摯に向き合えました。

試験は1回しかなくて、そこで全てが決まってしまいますが、受験生だからこそ持てる強さがあります。
「〇〇をしたから、やってるから大丈夫」と何かに頼るだけではなく、迷いながらでも自分を信じることが1番だと思います。
自分のペースで、自分が納得のいく試験にしてほしいです。実力を出し切れたら、自分が成長した証です。

この先も苦労することは山程あると思いますが、悩みながら模索したことを忘れずに、これからも自分を鍛えて生きていきたいです。
先生や家族、仲間をはじめ、美味しいラーメン、ウーパールーパー、近所の野良猫、私を築き支えてくださった全てに感謝しています。ありがとうございました。

 

デザイン工芸探究所校舎前にて撮影

 

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